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2008年9月

2008年9月19日 (金)

開高健最後の大魚  イトウ  モンゴル高原 1987

 開高健師の姿をもう一枚描きたいシーンがありました。

 開高健師の世界釣行最後の大魚となったのは、19876月にモンゴルのチョロート川のイトウです。前年にも挑戦し滞在最終日823日、最後の2時間で93cmのイトウを釣り上げました。この一部始終はビデオ「開高健のモンゴル大紀行~未知の大地に幻の巨大魚を追って」にあります。なんとしてもメーターオーバーをという執念が再度の挑戦になりました。

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モンゴル高原の早朝は寒く、零下10度を下回る中のキャステイングはロッドガイドがたちまち凍りつきキャステイングができなくなります、私も3月早朝の北上川のサクラマス釣りで同じ経験をしています。師の寒そうな写真があったので描きました。

 その苦闘の中から巨大イトウ120cmをヒットさせました。その直後の感想として師は「またわたしは少し生き延びられます。ありがとう」、「大いなる日は終わりました、円は完全に閉じました」と語っています。これは釣師としての遺言と思われます。このわずか2年後に彼は亡くなりますが自分で悟っていたふうがあります。5_3

この後はスコットランドや中国北部の湖など へ行き、カナダ(889月~10月)を最後としていますが釣師としての登場はこのイトウが最後です。

 

このとき師の使用していたタックルは、アンバサダー7000番とフェンウイックのヘビー級ロッドですが、よく見るとリールとロッドが鉄の座金で固定されています、大魚に対応するための補強でしょうがこれほどの備えは淡水用では見たことがありません。確かに普通のロッドのリールシートはプラスチック製なのでメーターオーバーに対するには強度に問題があるかもしれません。

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2008年9月 6日 (土)

天上の釣り、合掌   開高健  川の中の一本の杭

Img919_3 開高師が8912月に彼岸に渡って来年ではや20年、天上に釣りがあればこんな感じでやってるかもしれません。

アラスカでの828月のひとこまですが川の中の1本の杭になれという話のとおりの情景です。

 で、私もその気になって山形県の大河最上川に胸まで立ち込んでサクラマスをねらいに行った時を絵にしました、大石田町です。

 転んで流されれば「おくのほそ道」ラインで日本海まで行きますが大河に鉄砲水はありませんから安心ではあります。実際は人間はもっと小さく米粒くらいに描かなければなりません。ま、そのへんはイメージということで。

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 大きな瀬がありその下の深み、そしてきれいな支流が流れ込むという絶対のポイントです。3年通いました、狙いのサクラマスは初回の時にヒットしましたがジャンプされて外れました、目の下70cmあったかなあ、見た時、こいつは北上川の遠投用8ポンドラインでは獲れないと12ポンドに上げリールも一ランク上げました。

 その後通いましたが、ビギナーズラックは釣界の真理、釣れたのは70cmでかマルタ(オオガイ)10本、2尺の大ナマズ4本、ニゴイがいくつか。いちばん竿を絞り込んでくれたのは2尺の野鯉の背がかりでした、そのパワーになんの怪物が来たかと思いました。この時は竿が折れるかラインブレイク(12ポンド)かどちらかを覚悟しましたがさすが剛竿フェンウイック、なんとか取り込めました。川が大きいと魚も大きいです。

 

 3年間釣り人は1人も見かけませんでした、地元の人に聞いても「サクラマスねえ?みたことないなあ」という感じでした。川下りの観光船が通り、お客さんの「なんだあれ?」の視線も浴びました。

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2008年9月 5日 (金)

開高健と世界の怪魚―4 「オーパ、オーパ!!」  真打、キングサーモン

 やっぱり最後はこれでなくては締まりませんね。1984年7月です、この後コスタリカ、カリフォルニア、スリランカ、モンゴル(1987)と旅し1989年12月にガンで亡くなりました。59歳でした。

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  「オーパ、オーパ!!」では連続の旅ではなく何回かに分けて出撃しています。1984年の7月にアラスカのキーナイ川で自分の身長と同じサイズのキングを釣りました。この一部始終はビデオの「河は眠らない」に記録されています。

 

師は北の川が似合うようです、アマゾン川や中米の海、アフリカまで出かけていますがどうも暑いところは辛そうです。

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2008年9月 3日 (水)

開高健と世界の怪魚-3 「オーパ、オーパ!!」   孤島にてオヒョウ姿作りの図

 開高健は1982年から最後の世界各地釣行をしています、そのまとめが「オーパ、オーパ!!」集英社刊です。アラスカからカナダ、カリフォルニア、コスタリカ、セイロン、モンゴル高原まで歩きました。大きなオヒョウ、チョウザメ、ターポン、イトウなどを仕留めています。

 この記録の中での白眉、師をして「偉大だ、負けた」と言わしめた北の海の巨大オヒョウ(ハリバット)とのファイトとその後です。ベーリング海の孤島セント・ジョージ島(アリューシャン列島よりさらに北)に渡り挑戦しています。

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まあヒラメの化け物といえば分かりやすい魚です。

これがどでかい連中で大きさが最大ダブルベッドサイズから最小はファン(扇)サイズまで9ランク、彼が仕留めたのはバーン(ドア)サイズ、上から4番目!まででした。

 プロの料理人が同行して仕留めたのを姿作りの刺し身にしています、まな板は木のドア一枚、一切れ350グラム。師によると刺身は淡麗、スープはあっぱれな天与、しかし肉を煮たり焼いたりはまるでダメ、パサパサだと書いています。

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この一頭がこの後どうなったのかは書いてありません。

 オヒョウ 「やい日本人!なんの恨みがあってこんな情けない姿にしてくれたんだ! 海の底で静かに暮らしとったのに」

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2008年9月 1日 (月)

開高健と世界の怪魚-2  「もっと遠く!」  オタワの奇蹟の図

 開高健師は19797月から19803月までアラスカから喜望峰まで南北アメリカを縦断しながらの釣行記(週刊朝日連載)を書きました。その中のハイライトはオタワのリドォ川でのマスキー釣りでしょう。日本には生息せず、足のないワニに尾びれがついているというようなかわいくない外観、相当の貪食で動くものにはなんでも食いついて大きくなり、最大では2mの記録があるそうです。

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 ヒットの瞬間 ”フィッシュ オン”!!               

 

 

 1979921日、釣れない日が続き煮えかけていた時、最後のキャスティングにヒット、トロフィーサイズの怪物の出番となりました。

 

 こんな魚です。120cm、29ポンド(13kg)。この魚は現地ではく製になり開高邸に送られました。当時師は50歳でした。

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