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2013年11月

2013年11月28日 (木)

遠野への道これぞ北岩手の秋  宮古市川井 繋

 押角峠を越えて国道340号を遠野へ小国川に沿ってのぼって行きます。道路が整備されているわりには車が少ないので路面もきれいで快適に走れます。
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 宮古街道から分かれて間もなくトンネルを抜けると川沿いの小集落が目に入りました。キキッと急停車、前後車がいないので好き勝手をしていました。厳しい冬間もなくの山々の一瞬の唐錦の装いを見ることができました。

「美しき天然」という名歌があります、この一節が聞えるようでした。

 “春は桜のあや衣
 
秋は紅葉の唐錦
 
夏は涼しき月の絹
 
冬は真白き雪の布
 
見よや人々美しき
この天然の織物を

 
手際見事に織りたもう
 
神のたくみの尊しや”

 用紙はアルシュ細目51×36cm、絵具はシュミンケです。さすがに高額定番紙、ランプライトにくらべると描きやすさは、うーむ微妙ですが良い、このあたりのさじ加減は歴史なんでしょうね。

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2013年11月25日 (月)

苦闘の道、押角(おしかど)峠  宮古市押角 

 

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 大正期を中心にこの地方で生きた女流歌人の西塔幸子が昭和2年3月に転勤で改修前のこの峠を越えた際の歌があります。 

 九十九(つづら)折る山路を越えて乗る馬の
 
   ゆきなづみつつ日は暮れにけり

 

 国道340号を南へ、岩泉町と宮古市(旧新里村)の境の押角峠を越え眺望が開けたところに車を停められるわずかなスペースがありました。道路脇の茂みの中に道路改修の記録碑と山ノ神さまがありました、昭和5年、改修というより固い岩盤を切り通す新道開削に近い難工事の歴史を伝えていました。近くのトンネルが昭和10年の開通なので少なくとも5年の時をかけて人力だけの施工です。その道が今も現役です。

 足元200m下には旧国鉄が作った押角トンネル(約3000m)が抜けていて2年前まで列車が絵の谷間を通り岩泉-茂市間を通っていました。 かつて軍需用の鉱山があり昭和初期からその輸送のための鉄道建設が行われました。しかし廃線となりそのトンネルを利用して道路にする計画が決まり近いうちに工事が始まるとのことです、新道ができればこの道は閉鎖されるでしょうからこの風景もあと何年後かには見ることができなくなるでしょう。

 Dsc_0196 わがトマト号がんばっています、軽より50cm短いけれど重さは同じ、排気量、パワーは倍ですから元気です。こういう道は得意です。

 用紙はミューズのブルーフォンセF6、絵具はホルベイン・ガッシュを日本画用のニカワで溶いています。透明水彩で得られない濃厚な秋色がだせました。

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2013年11月23日 (土)

渓谷の一軒家  岩手県岩泉町 小田瀬

 

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 安家川を県道273号で遡行して行って坂道を越えてなんとなく人里の匂いがしてきたところに一軒家が!しかも川向うに。1軒のため?橋がかかっています、橋脚ひとつで数百万円はかかる本格的な作りです、事情はわかりませんが公共の事業であることは間違いないです。対岸での林業系の作業道も兼ねているのかもしれません。
 
 洗濯物もかけられてしっかり生活が営まれているようでした。しかしわずかな畑しかない
急な谷間でどうやって??それは都市暮らししか知らない人間にはわからないなにかがあるのでしょう。

  車をとめて眺めていたら足元の茂みのなかになにやら動くものが!ドキ!
作業衣姿のおじいさんでした。こちらを向いて「なんだ?おめえ」という表情でした。なんとなく気恥ずかしくて会釈をして車を出しました。絵では対岸に移しました。

 用紙はランプライトをF6サイズに切りました、絵具はシュミンケです。ランプライトの扱いも慣れてきました、弾きの強さを欠点とする人もいますがその反面か表面がとても強く、着彩後水を刷いてテイッシュでぽんぽん押したりこすったりの絵具を吸い取る作業でもびくともしません。この作業は他社の高級紙でもほどほどにしないとドーサがはげて水がしみ込んで色の穴が開くことが多いですがまったくありません。
 消しゴムやマスク液にも平然としています、水張りしても変わらず強靭さはたいしたものです。

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2013年11月21日 (木)

山中のバス停、なんだ? 岩手県岩泉町 茂井下

 

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 久慈からの帰路、渓流釣りに夢中だったころあこがれつつ訪れることがなかった安家川の河口から県道273号をさかのぼって行きました。
 右は垂直に近い岩盤で落石注意の看板だらけ、左は激流の1車線ちょいの道をこわごわ数キロ行き安家隧道を抜けるとバス停の標識が出現、なんだこれは!です。しかも家庭ごみの収集箱が。バス停の先には激流のなかにもまれるような心細い橋がかかっていました。電線も川を渡っていたので橋の先には生活している人がいるはずです。でもここから先へは行きませんでした。
 

 読んだら岩泉町の町民バスの停留所でした、地元のタクシー会社に委託しているようです。本数はここから上流へ1日4本です。ということはここが終点でしょう。

 用紙はBBケントF4、絵具はシュミンケです。

16 橋の上からの安家川です。雨上がりの強い流れ。

14 歴史を感じさせる安家隧道です。1車線+アルファ。

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2013年11月19日 (火)

山中の一軒家  岩手県岩泉町平井

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 岩泉町の中心部から小本街道を西へ浅内から国道340号に入り遠野めざしてJR岩泉線と並行して(残念ながら廃線が決まりました)南下しました。途中沢沿いに一軒家があり老夫婦が作業をされていました。何代前から住んでおられるのか分かりませんが急峻な谷間のわずかな平地を切り開いて石垣を積み耕地を少しづつ広げた跡が見て取れます、田んぼはないようです。今は車で移動しますが以前は鉄道を頼って暮らしていたのでしょう、駅は2,3km北にありました。
 線路は右の山の中を大部分トンネルで走っています、峠の下を抜ける押角トンネルが道路として拡幅活用されるとの報道がありました。

 この先国道とは言いながら急こう配で狭い難路の押角峠を越えて和井内まで10数キロ人家はありませんでした。

 現場は沢沿いにもっとたくさんの樹木がありましたが絵の中で整理しました。

洋紙はランプライト42×34cm、絵具はシュミンケです。ランプライトは画材店にも感想がいろいろ寄せられていました、共通しているのは弾きが強すぎる(乾きが遅い)という点です。特に現場で描く派の方々には不評のようです。私は水張り時に強めに刷毛でこすってから時間をかけて描くのでまあなんとかこなしています。
 描き終えて水張りパネルから外した際に、手に表記の300g以上あるのかなと思えるズシッとした重みが伝わり密度の高さが感じられるのは良いです。

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2013年11月16日 (土)

雨上がりの谷間に家2軒  岩手県田野畑村猿山

 台風の大雨がやみ宮古から久慈への国道45号の途中たまーにある信号で一時停止、左へ行く道がなんとなく風情がありそうで左折、県道44号を西へ。峠のトンネルを越えて下って行くと、岩泉町との行政界近くの谷間に家が2軒寄り添っていました、1軒は伝統の曲り屋構造です。地図で見ると猿山という地名のようです。

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 雨上がりのため田んぼには水が溜まり湿気が谷に満ちていました。

  稲のはせがけをよく見て驚きました。ふつうは2段重ね(作業の際に背が届く高さ)ですがここのは5段重ねの垂直型です、高さは5m超。遠野まで行くと見なくなりますが北上高地の集落では普通のようです。狭い谷間ゆえでしょうが材木を組む、稲を掛け外しする作業は高齢化の進む今大変だろうと思いました。しかも中央部のは斜面に設置してあります。

用紙はミューズ社の新製品ランプライトです。51×31cmに切りました、アルシュの小全紙サイズと同寸です。絵具はシュミンケです。
 水張り時に刷毛で強めにこすって使いましたが弾きの強さは残り、杉林の暗部の表現にてこずりました、暗色がのらないのです。塗り重ねると先に塗った絵具が散ってエッジ部に寄ってしまい木の中央部が薄くなります。また重ねるまた散るの繰り返しで、こういう表現には濃いめに溶いて一発仕上げで行く必要があります。

 ブログランキング上位におられるくどうさとしさんにお聞きしたらオックスゴールを少し使うといいですよとのアドバイスを頂きました。持ってはいましたが使い方がわからずにいました。ありがとうございました。

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2013年11月14日 (木)

台風一過 早池峰に雲わく  遠野市

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 台風一過の遠野をあちこち走りました。荒川高原、大出、土淵、山口などです。市街地から土淵へ向かう県道の小高いところから見えた透明な青空のもと近景の里景色と遠くの北上山系の霊峰早池峰山(1917m)と薬師岳(1645m)の谷からうっすらと雲がわいている風景が素敵でした。

 遠野市は震災時にいち早く沿岸部の被災地の支援体制を組み支援基地となったところです。

用紙はミューズ社の新製品ランプライト52×32cm、絵具はW&Nです。発色が派手なW&Nを使っても落ち着いた色合いになりました。ちなみに前記事の三陸鉄道の発色と比べてみるとよく分かります。描きたい画角に合わせて紙を切り出したのためちょうどいい寸法の既成の額がないのが分かりました。特注すればすむのですが5割増しになってしまいます。これから気をつけなければ。

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2013年11月11日 (月)

復興の鉄路 三陸鉄道  田野畑駅

 久慈市から南へ約30km、三陸鉄道北リアス線の田野畑駅です。TVあまちゃんのラストシーンのロケに使われたトンネルは画面の左方向(入っていません)にあります。

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 宮澤賢治との縁にちなんでカンパネルラ田野畑の駅名表札がかかっていました。この先の島越(しまのこし)駅前後の被害が大きく当面ここが北からの終点です。駅から海のほうには仮設小屋以外には1軒の家もなく、背後の山側にわずかに残るのみです。

 そんな中2014年4月の北、南リアス線の全線開通に向けて頑張っています、鉄道の復旧がどれほど地域復興に役立つかはかりしれません。

用紙はミューズタッチⅡランドスケープ42×25cm、絵具はW&Nです。W&Nらしく派手な発色になりました。

Dsc_0071 地域のシンボルだった防潮水門の上のレプリカはしっかり残っていました。

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2013年11月 6日 (水)

不屈の鉄路 三陸鉄道  宮古市田老町

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 ここ岩手県田老町は明治、昭和、チリ地震と何度もの津波を受けながら立ち直ってきた不屈のまちです。しかし今回の1000年に一度の津波は万里の長城と呼ばれたX字状の防潮堤でも防ぎきれず高台のわずかな建物を残してまちを壊滅させてしまいました。駅前地区には1軒の家もなく;これからどうなるのか見えません。

 その荒野のなかでも TVあまちゃんで準主役だった三陸鉄道が着実に復興しつつあり、宮古久慈間100kmの北リアス線は1駅分が被災被害が大きくまだ全線復旧できていませんが地域の貴重な足としてがんばっています。被災5日後に久慈―陸中野田、9日後に宮古―田老間の運航再開をなしとげた鉄道マンたちの努力と意気に脱帽です。

 用紙はストラスモアインペリアルF6、絵具はW&Nです。

 画面のなかの周囲に合わない車は私のトマト号です。

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2013年11月 3日 (日)

復興のホテル開業  陸前高田市

 先月の三陸の被災地の取材の中で復興の姿が最も印象的だったのが、陸前高田市での本格的なホテルの新築開業でした。1025日に竣工式、111日に開業です。震災前は南三陸地域NO.1のホテルでしたが被災し解体されました、その後高台に新たに建設されました、名はキャピタル・ホテルです。

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 周囲はまだまだ荒野のままですが奇跡の一本松とともに復興の象徴になるでしょう。オーナーの方の心意気に拍手です。

用紙はミューズ社の新製品ランプライト51×36cm、絵具はターナーです。この紙はまだ1枚描いただけですがいい紙です。そのままだとはじきが強いですが水張りをすることでちょうどいい表面になり青空がむらなくきれいに塗れ、樹林部の暗い表現で塗り重ねをしても絵具が表面を漂わず落ち着きがいいです。しかもコットン100%でありながら値段が高級輸入紙の1/3くらいですから助かります。

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2013年11月 1日 (金)

秋、はせがけの稲  大和町難波

 前記事の1週間後に同じ田んぼを訪れました。稲は刈取りを終えはせがけでの自然乾燥がされていました。自然乾燥のコメは茎の養分も実に入りおいしいのです。でもたいていは自家用で、販売用はコンバインでのいっきの取入れになります。

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背景は南川ダムの湖面と、巨人が一夜で作った伝説の七ツ森です。

 用紙はファブリアーノエキストラホワイト極細目51×35cm、絵具はシュミンケです。

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